マイクロモザイク
マイクロモザイク
マイクロモザイクとは1800年代にイタリア・ローマ(ヴァチカン)で作成されたアンティークの作品。 色が元々ついているガラス・石(宝石)・貝などを5ミリから1センチ位の長さの筒状の形に作り替え、それを組み合わせて(敷き詰めて)作られた美術品。現代では再現不可能と言われる技術です。
誕生と隆盛の背景
モザイク装飾自体の起源は紀元前にさかのぼるといわれ、石やタイル、貝殻などで絵柄や文様を表す装飾美術で主に建築物を装飾するために発達しました。17世紀に行われたローマのサン・ピエトロ大聖堂の大修復の際にヴァチカン市国にモザイク工房が設置され、数多くの職人が誕生します。この当時は、まだ大聖堂の建築物修復のためのモザイク技術として継承されていました。
大聖堂の事業が完成した後、職人たちは稼ぎを得るために、持ち運びのできる小さなモザイクを施すことを考えました。そして生まれたのが装飾品としてのマイクロモザイクでした。
18世紀には、ヨーロッパの名家の子弟たちがヨーロッパの主要都市を訪れるグランドツアーが流行、考古学的な遺跡の多いローマはとても人気がありました。ローマを訪れるイギリスの上流階級の子弟たちがこぞって求める記念品としてマイクロモザイクは人気を博したのです。
モチーフ
花や鳩と言った一般的に好まれる題材から、古い遺跡を描いたもの、民族衣装を身に着けた人物、牧歌的な風景など題材が多岐に渡っているのが特徴で、その当時の様子がモザイクとして色鮮やかに残されている点から、美術的な価値のみではなく、歴史的な価値もあると言われています。
西川との出会い
西川は旧知の友人を通じ、この偉大な美術品を知ることになります。
マイクロモザイクは、200年前の職人が高度な技術で作っている、その事実に感動し、その感動を多くの人に伝えたいという想いで2021年10月にマイクロモザイク展を開催することができました。
西川の歴史でも類を見ない「美術展」の開催がお客様に評価されたことを大変嬉しく思っております。また、コレクターの方を始め、様々な人のつながりがあったからこそ実現できたという御縁も感じずにいられません。
今後もこのようなめったに見ることができない宝石やジュエリーを皆様にご覧にいれる機会を作っていきたいと思います。