昔見た風景 -honowa 12の物語-
あかばね塾(田原市)
写真提供 あかばね塾
「ここの海には昔、
ウミガメが来てたんだよ、
見たいよね?」
30年前、
その言葉がきっかけでした。
元々自然が好きだった渡辺さんは
海に行って愕然とします。
気がつけば海は
ゴミばかりだった。
それから、
志を共にする仲間と結成した
「あかばね塾」の
海を汚す人たちとの戦いの日々が
始まります。
アカウミガメが
産卵にやってくるには
3つ条件があります。
1.静かであること
2.暗く光がないこと
3.キレイであること
そんな浜を作るために
あかばね塾のメンバーは
ゴミを拾い、
車の侵入を防ぐ柵を作りました。
やがて、
海に遊びに来る人たちも変わり、
自分たちも愛する海を
きれいにするという共通の思いが
芽生えます。
みんなの努力が報われて
アカウミガメは戻り、
産卵も増えていった。
しかし
2000年頃から、
大きな問題が起こり、
亀の往来が減ってきます。
地球温暖化。
少し前から耳にするこの言葉は
人間だけでなく、
亀にも影響を及ぼします。
亀が産卵する浜の地中温度は
30℃より高いとメスが生まれます。
オスが生まれるためには
29℃以下でなくてはならない。
1℃、2℃の違いが亀にとって
致命傷なのです。
事実、
世界中の80~90%がメスになっていて
種が滅亡の危機に瀕している。
今度は見えない敵との闘いが
始まりました。
人間によってもたらされた環境の変化、
人間ですらコントロールできていない
亀も、人間も同じだと
渡辺さんは語りました。
温暖化を止めるのは
世界レベルの協力が必要で
根本的な対策は
打てないかもしれません。
しかし、
自分たちができること、
今やるべきことをやるだけ
少しでも、
ゴミを減らす
少しでも、
砂浜の温度を下げる
昔見た風景に
もう戻ることはないかもしれない。
.しかし、
あかばね塾は
まだあきらめていない。
闘いはまだ終わっていない。
▼あかばね塾のことをもっと知りたい(外部サイトYoutubeへ)▼
▼田原のことをもっと知りたい(外部サイトへ)▼
▼東三河の観光・移住のことをもっと知りたい(外部サイトへ)▼