パール(真珠)
ファッションとして普段使いされるお客様と、冠婚葬祭のお道具として利用されるお客様がいます。おつけになるご本人様とパールとの相性が一番大事な選ぶポイントです。
パール選びのポイント
パールの品質は巻き(真珠層の厚さ)、テリ(光沢)、色、形、キズ等の要素で決まります。また、大きさ(サイズ)については年代や体型によっても、その見え方に差が出てくるので、一概にこれが正しいといった基準はありません。身につける方とパールがなじむかどうか、ここが一番大事なポイントです。
例えば若い世代の方が大きいパールをつけると「着けさせられている」ように見えてしまいますが、大人の女性は上品に見えます。
お祝いの席やお子さんの行事などが増えてくる年代には、華やかだけど派手すぎないサイズをご提案いたします。
【シチュエーション】
結婚式やパーティーでは基本のホワイトの他、ピンク・ゴールド、ピーコックなどの色合いのパールや、バロックなどの変形パールでもマナー違反にはあたりません。祝いの席では単品使いだけでなく他のアクセサリーとの重ねづけも、「幸せが重なる」という意味から縁起が良いとされています。
一方、喪の席では、ホワイトのアコヤパールや黒蝶真珠のネックレス、イヤリング、ピアスをマナーとして身につけられる方が多いです。ネックレスは、必ず一連で身につけ、ネックラインに沿った長さが理想です。二連は「不幸が重なる」という意味になるので避けます。イヤリング、ピアスは一粒で揺れないものが望ましく、ネックレスに合わせたパールにするのが一般的です。
アコヤパール
アコヤパールは御木本幸吉氏が1893年に真珠の養殖を世界で初めて成功させ広めました。アコヤパールの真珠層はキメが細かく、他の真珠と比べ、美しいテリがあります。幾重にも巻いた真珠層が繊細な色合いをつくり、美しく上品な光沢が特長です。形は整ったラウンド型が多く6~8mmがスタンダードなサイズ。日本人の肌に馴染む、愛らしいピンク色や優しいクリーム色が特に人気があります。
黒蝶真珠(タヒチ)
黒真珠(ブラックパール)とは、黒蝶貝から採れる黒蝶真珠のことです。日本のアコヤパールは10mm程度が限界ですが、タヒチなどの海外産のパールは母貝が大きいため15~16mmくらいにまで大粒に育てることができます。かつては、その希少さから『幻の真珠』といわれていた黒蝶真珠ですが、日本の技術者が現地に行き、養殖の生産数が安定したため、ひと昔前の10分の1程度にまで価格が下がり、手に入れやすくなりました。黒蝶真珠の9割以上がタヒチ産なため『タヒチ』と産地名で呼ぶ人もいます。『黒』のイメージが強いですが、実際には淡いグレーから黒、他にもグリーン、レッド、ブルー、ブラウンなど多彩な色が存在します。形状もオーバル(楕円)、ドロップ(しずく型)、バロック(変形)など独特の魅力があります。中でも、孔雀の羽の色になぞらえて『ピーコックグリーン』と呼ばれる黒緑色のものは、神秘的な輝きと稀少性で最高級品にあたります。
白蝶真珠(南洋珠)
真珠の母貝の中で最大級の白蝶貝は、オーストラリア、インドネシア、フィリピン、マレーシアなどの水温が極めて高い熱帯の海に生息しています。水温が高いため、真珠層の成長が速く、養殖期間も長いため、かなり巻きの厚い珠に成長します。この白蝶真珠の多くは直径が10mm以上あり、華やかさと、巻きの厚さからくる重厚で格調高いイメージが、白蝶真珠の一番の魅力です。色はオーストラリア産に多いと言われるシルバー系や、インドネシア産に多いと言われるゴールド系の2系統があります。(茶金の項目削除)形のバリエーションが豊富なのも、白蝶真珠の魅力のひとつで、なかでも、左右対称の美しいドロップ(しずく型)は、希少性があり高く評価されます。『真珠は丸いもの』という考え方もずいぶんと変わり、真珠の持つ形の珍しさにも最近では注目されています。
ケシ(芥子、変形の無核真珠)
養殖されたものではなく、天然で母貝に偶然入り込んだ砂や砂利、その他の異物に貝が真珠層を巻きつけてできたパールを、芥子(ケシパール)と呼びます。ケシパールは従来、芥子の実のように小さい粒の真珠をそう呼んでいましたが、現在は大きさに関係なく無核真珠のことを総称して呼んでいます。核が存在しない独特なカタチはまさに一点ものの個性。真珠層は厚く、光沢も美しいケシパールは、その偶然性から全体の0.5~2%程度と希少価値があります。 一般的にはその形から、ラウンド形の真珠に比べて、よりカジュアルな服装との相性がいいと言われています。
パールの魅力を楽しめる、ベビーパール(アコヤ)
ベビーパールとは6mm以内程度のサイズの小粒のアコヤパールのことです。アコヤの上品さはそのままに、可憐で軽やかな存在感が普段着によく似合います。 小さいながらも核を持ち、育てるのに同じ手間がかかるため年々希少価値が高まっています。小さく、繊細ながらも発する強い輝きは、パールジュエリーの奥深さを味わえます。